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2020/04/21

老舗企業のこだわり1

老舗企業の廃業

昨年度、滋賀県内では何件かの老舗企業の廃業がありました。

センターとしては老舗企業の廃業と聞くと、残念な思いで

いっぱいになってしまいます。

センターで支援している案件もあれば、そうでない案件もありますが、

いずれにしても、廃業に至る原因はそれなりにあるはずです。

私が直面したり、耳に入ってきた情報の中では、経営者のこだわりが

原因ではないかと思われることがありました。

経営者のこだわり

このこだわり、大切な側面と危険な側面があるのではと考えさせられました。

大切にするとかこだわりとかは個人の価値観に大きく影響するので、

他人の説得によって変わるものではないと思います。

しかし、事業を継続させるということはどんな価値観であったとしても

老舗企業であれば、大切にすべきことではないかと個人的な「価値観」では

思うのです。先祖代々から引き継がれてきた事業には、大切にすべき思い

役割、使命、意義等があるはずです。事業を継続させることを抜きにして

個人のこだわり、大切にすべきことなどはないかと思うのです。

私のところに入ってきた情報では、廃業したいくつかの老舗企業の経営者は

後継者に対するこだわりがあったようです。

きっと、これまで継がれてきた財、サービスに一子相伝のような公開されない

ノウハウがあったり、提供された財、サービスの品質にこだわりがあったり

そこに看板やブランド価値があったのだと想像できます。

そんなこだわりを引き継ぐのは、人。つまり、後継者なのです。

後継者にこだわりを持つことはそういう意味では大事だと思います。

だからこそ、事業承継については早期から準備する必要があるのですが、

後継者に対するこだわりが強ければ強いほど、求めるものが多く、困難に

なってくるのではないでしょうか。

後継者にこだわりすぎたために廃業を決断することは、本意なのでしょうか?

これまで引き継いできたご先祖の思いに対しての答えなのでしょうか?

私が残念に思ったのはまさにここなのです。

事業を継続させる、後世に引き継ぐという大きな使命を見失ってまでこだわる

大切なものがどこにあるのか?もちろん、個々の価値観や私たちが知らない

事情があるのかもしれません。しかし、何百年も世の中の人の役に立ち、

生き続けてきた価値がその代のこだわりで途絶えるのは本末転倒のように

思えてしまうのです。

個人に強く依存する技やノウハウは引き継ぐためには、多大な時間を要します。

それだけに親族承継、第三者承継に関わらず早期から引き継ぐ覚悟を持って、

事業承継に取り組んでほしいと思うのです。

 

 

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