事業承継事例 和風お食事処「多も里」(北里製油株式会社)様

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若手経営者の想いに共感
良好な信頼関係を築き
円滑な事業承継を実現

  • 第三者承継
  • 飲食業
  • 湖東地域

和風お食事処「多も里」(北里製油株式会社)

飲食店経営

滋賀県近江八幡市江頭町443
TEL.0748-36-6177

調理師専門学校卒業後、大阪の飲食店で修業した田守鉄朗さん。父が創業したガソリンスタンド事業は二人の兄が継ぎ、鉄朗さんは和風お食事処「多も里(たもり)」を開業しました。

地域に親しまれてきましたが、二人の子どもはそれぞれの道に進み、奥様と二人三脚で切り盛りしてきた店を将来どうしていくかという課題の中、近江八幡商工会議所での事業承継相談会をきっかけに、滋賀県事業承継・引継ぎ支援センターからの紹介で株式会社瑛心 小林満さんに出会い、M&Aを進めていくことになりました。

Interview

前経営者
田守 鉄朗 さん(北里製油株式会社)

ご紹介を受けた時の印象はいかがでしたか?

2021年6月、商工会議所の相談会に参加しました。その後、滋賀県事業承継・引継ぎ支援センターにつないでいただき、翌年4月に小林さんを紹介していただきました。

複数の大型商業施設に鮮魚店をテナント出店している若手経営者だけあって勢いがあるし、一生懸命で裏表のない人物という印象でした。話をすると、本気で飲食店をやりたいと思っていることが伝わってきました。

契約後、しばらく「多も里」のまま営業されたということですが

2023年5月に株式譲渡契約を締結した後も店名を「多も里」のまま営業されていましたが、1年後に小林さんの本業である鮮魚店を前面に出して「一魚ー会」に変えられました。1年やってみて自信を持てたのではないかと思います。

後を託すからには店を長く続けてもらって商売を成功させて欲しいという思いがありましたので、譲渡価格もできるだけ抑えて過度な負担がかかることのないようにしてあげたい、夢を後押ししてあげたいと考えました。

従業員の雇用についてはどうされましたか?

譲渡した後も従業員を継続して雇用してほしいと最初に伝えました。小林さんは契約後数ヶ月間毎日店に出て従業員全員と面談するなど、安心して働けるよう配慮してくれたおかげで、ほとんどのスタッフが今も働いてくれています。小林さんからの依頼もあり私も1 年ほど店に残り、従業員のサポートをしました。

事業承継に悩む経営者にアドバイスをいただけますか

一人で悩んでいないで、とりあえず声をあげることが大切だと思います。声をあげないことには進みません。私たちだけではとても承継はできなかったと思うし、会議所などのアドバイスで引継ぎ支援センターにつないでもらったおかげで、このようなご縁をいただくことができて本当に良かったと思っています。

Interview

後継者
小林 満 さん(株式会社瑛心 代表取締役)

初めて田守さんと面談した時の印象は?

最初に店舗を訪れた時は、りっぱな店構えでキャパも大きかったので正直ちょっと厳しいかなと思いました。ただ田守さんは気さくで誠実な方で、お店のマイナス要因も正直に話してくださっただけでなく私がやりたいと考えていることにも賛同していただき、この人となら前向きに進めていけるのではと思いました。

契約後どのように店を運営していかれましたか?

最初は私が毎日店に入って、その後、瑛心の従業員が店長としてこちらに異動しました。田守さんからは「思うようにやってみたらいい」と言われていましたが、初めはメニューを変えずに営業しました。その後メニューを見直し、「一魚ー会」守山店で提供している海鮮丼など、魚を使ったメニューを加えることにしました。
そして、2024年8月に「すし処一魚ー会」に店名変更しました。

事業を引継いだ後、何かご苦労はありましたか?

新しい経営者が入ってきて指揮をとる場合、ずっと働いてきた従業員との関係づくりに苦労することが多いと思いますが、私の場合、最初の数力月店に入ったことが良かったと思います。

毎日朝礼を行うことにしたほか、日報を吉いてもらうようにしたところ、みなさんが何を思っているかがわかるようになり距離が近くなったと感じています。

今後の展開について

本業が鮮魚店であることを打ち出して、料理だけでなく素材に対するファンづくりもしたいと思っています。鮮魚店を併設すれば、海なし県の滋賀でプラスαの魅力ある店舗展開ができると思います。今の業態による出店を増やしていって鮮魚の小売りもできるようになれば、それを一つのビジネスモデルとして滋賀県内での知名度を上げられると考えています。

支援員からのメッセージ

田守社長、小林社長お二人の面談後、小林社長は「多も里」が大きなレストランでしたので過大投資を心配されていました。

一方、田守社長は若くて商売に勢いのある小林社長に良い印象を持っておられ、条件面で小林社長に過度な負担がかからないように配慮されていました。

お二人が「引継ぎしたい」「この人になら任せられる」とお互いの信頼関係を作って頂けたのが上手く進んだ要因だと思います。

今回の事例は、両社とも最初の紹介先ではなく何社目かになりますが、お互いの信頼関係により時間がかかっても頓挫することなく承継に至りました。トップ同士の信頼関係の構築が如何に大切かを改めて認識した案件でした。

(滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター サブマネージャー 村田 市郎)

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